こんにちは、模型の深淵(アビス)の探索者、らば(RAV)です。
今回は、私にとって未知の領域である「ガレージキット(レジンキット)」制作の第2回をお届けします。挑戦しているのは、CLUB M様の「1/8 メジロマックイーン」です。
トウカイテイオーとの激闘を制したアニメ2期・第5話の衣装ですね。白と水色、そしてゴールドの配色が非常に爽やかで、上品さと華やかさが極めて高い次元でバランスされた素晴らしいデザインです。
仮組みひとつとっても、プラモデルとは勝手が異なる部分が多く、すべてが手探りのスタートとなりました。最新の情報から伝統的な手法まで、自分なりに調べた中から「今の自分に最適」と感じたプロセスを、日記形式で記録していきます。
あくまで「私の一例」としての記録ですが、これからガレージキットに触れる方の参考や、ベテランの方には懐かしさを感じていただける内容になれば幸いです。
■ 1. 知識のインプット:先達の技を学ぶ
いきなり仮組みといっても、何から着手すべきか戸惑うものです。まずは基本に立ち返り、信頼できる先達の知恵を借りることにしました。特に参考にさせていただいたのは、以下の動画です。
- 製作代行 Aslan (旧MASKED MODELER):ガレージキットの作り方【仮組み・組立】
- 鋭之助 初代 日野氏:原型製作者自ら2021年最新ガレージキット『バトルタイガー」の作り方
洗浄から組み立て、塗装工程に至るまで、プラモデルとは異なるアプローチが新鮮で、非常に学びの多い内容でした。これらの情報を踏まえ、私なりに「なぜこの工程を選んだのか」という理由を整理しながら進めていきます。
なお軸打ちに関しては別途記事を作成中なのでもう少しお待ちください。
■ 2. 下半身の組み立て:足元から固める
洗浄と乾燥を終え、ようやくパーツを直接触り、工作ができる状態になりました。
組み立ての順序としては、あえてゲートを少し残した状態で、「足元から上方へ」向かって積み上げていく方式を採用しました。ガンプラを組んでいく感覚に近いかもしれません。

CLUB M様のキットはパーツ分割が緻密でありながら、評判通り「パーツの合い」が非常に良好です。まずは以下の部位をフィッティングしました。
- 左右のブーツ、太もも
- ショートパンツ(上下)、ベルト
ダボの縁や受けの中に残っている微細なバリをニッパーやデザインナイフで丁寧に除去し、パーツ同士に隙間が生じないよう細かく調整を繰り返します。
ここでガレージキット特有の事象に直面。ベルトパーツが複製の段階でわずかに歪んでおり、ショートパンツとうまく噛み合いません。そこでヒートガンを導入し、レジンを温めて柔軟性を持たせ、手で形状を馴染ませながら微調整を施しました。
ヒートガン(エンボスヒーター) 小型 300W 2段階温度 急速加温 200℃/350℃

■ 3. 体幹と頭部の構成:精度の追求
続いて胴体部分です。お腹、腰、胸、そして多層構造のジャケット(前後、襟、左右前身頃)という複雑な分割ですが、厚みのあるパーツは形状が安定しており、スムーズにフィッティングできました。

一方で、薄手なジャケットや前襟パーツには反りが見られたため、ここでもヒートガンによる熱処理を行いました。煮沸よりもピンポイントに熱量をコントロールできるため、非常に効果的でした。
(※前襟などの細かなパーツは、形状を戻しても冷えると再度反ってしまう傾向があったため、この段階で先行して接着固定しています)

【頭部の構成と工夫】
● 髪パーツ:塗装時に最終接着するため、現時点では瞬間接着剤(3S)で点付け仮固定。
● 前髪パーツ:瞳の塗装時に表情のバランスを確認しやすくするため、磁石接続に改造して着脱を容易にしました。
ハイキューパーツ ネオジム磁石丸形 3-1.5 (MGN3015)

■ 4. 深淵の考察:キットレビューとしての視点
ここで、キット自体の造形について探究者としての視点で触れておきます。
● 造形の解像度:密と疎
驚かされたのは「密度のコントロール」です。ベルトやブーツの細かいディテールとスカートの柔らかい曲線で魅せる魅力。マックイーンらしい気品ある立ち姿を再現するため、スカートの翻りや髪の毛先に至るまで、極めて美しいラインで造形されています。全高約21cm。1/8スケールとは思えない実在感は圧倒的です。
● 設計の妙:モデラーへの配慮
パーツ分割が非常に戦略的です。配色が複雑な衣装ですが、塗装時のマスキングを最小限に抑えるよう配慮されています。フリルの重なりやブーツの編み上げなど、塗装後の「映え」が約束されているような深いディテールが随所に刻まれています。
■ 5. 腕部とスカートの課題
左右の腕については、これまでの工作精度を維持しつつ接続できました。一部ダボ穴が埋まっている箇所もありましたが、丁寧な開口で解決しています。
【現在の懸案事項:スカートの固定】
インナーと外装スカートの重なりはこのキットの大きな見どころです。しかし、パーツの自重に対して接続スペースが限られており、真鍮線のみでは「しなり」による破損の懸念があります。ABS棒での補強も検討しつつ、最適な保持方法を慎重に探るため、ここは一度保留としました。

■ 結びに:暫定の立ち姿
細かいパーツを除き、ひとまず全体のシルエットが見える状態まで漕ぎ着けました。実際に組み上げてみると、想像以上のボリュームと重量感に驚かされます。

ガレージキットはプラモデルと異なり、「合わないのが前提」という世界です。一つひとつのパーツと対話し、熱を加え、完璧にフィットした瞬間の手応え。非常に手間はかかりますが、下から順番に実体化していく様は、模型製作における「掛け替えのない愉悦」のひとつだと再認識しました。
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次はどんな「深淵」が待っているのか。また次回の探索記録でお会いしましょう!
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